絵画というと額縁のある状態で飾ってあるものを想像しがちですが、近頃では『額縁のない絵画』も多く目に付くようになりました。特にヨーロッパの美術館においては、古い巨匠の作品を、額縁なしで展示することも多くなっています。現代のアーティストの中にも、自分の作品に額縁を付けたくないと思う人もいるそうです。現代においては、絵画を見るためには絶対に美術館に足を運ばなくてはいけないというわけではありません。もちろん本物を鑑賞するためには美術館が必須になりますが、複製品であれば他にさまざまな方法があります。例えば画集をめくれば絵を見ることもできますし、講義室でスライド画面として絵を見たという経験がある人もいるでしょう。これらは「紙の上に印刷された絵」であったり、「スライド画面に浮かぶ絵」であるため、わざわざ額縁がついているということは、あまりありません。