古き良き街並みのなかで

英国のインテリア誌などを眺めておりますと、そこには歴史というものが大変重要視されていることを実感いたします。イギリス人は、個人のライフステージとともに住宅環境の見直しをする国民性があるなどとも言われておりますが、日本人のように一生分のサラリーを、住宅ローンに当てがい、がむしゃらに働くといったようなスタイルの人生設計ではなく、住宅や土地を持つことなどには執着せず、自分たちの成し得る生活設計の中で、最適な住宅環境を構築させていくといった考えが強いようです。また富裕層などとなると、家の価値においては築年数などを重要視する傾向があるようで、歴史を感じる建築物には、高い評価がもたらせるようです。自宅の中に飾られている額縁などの肖像画や絵画などにおいても、決して有名画家などの作品などではなく、家族や友人が描いた、歴史を感じる良き作品などが装飾されていることが多いなどとも言われております。一般的にイギリス人は、新築の家をあまり好まないなどとも言われておりますが、土地への執着心が強く、新築物件を好む日本人の住宅への考えとは、大きな隔たりを実感いたしますね。築年数300年、500年などと言いますと、歴史的建造物などといったような扱いにもなるようですが、家主が勝手にリフォームなどを行うことを禁止する場合もあるようです。古き良きものを大切にする国民性が、何よりも歴史的建造物の多いイギリスの街並みが美しく保たれている秘訣でもあるのかもしれませんね。