8世紀のピザンティンのイコン

8~9世紀のピザンティンでは洗練された工芸技術でイコンが盛んにつくられたそうです。これらは有線七宝と呼ばれています。エマイユ・クロワゾネです。それらは金や銀による縁取り装飾が施されています。

個人用の携帯できるものや、豪華絢爛なものまでさまざまあります。そしてこれらにも額縁のような意匠と機能を備えた額縁の初期の姿を見ることができるそうです。

ピザンティンの工芸品やイコンのための装飾様式や技術は、ゴシック時代には二連や三連の祭壇画、さらには多翼祭壇画へと発展しました。そして額縁の原型として、その周囲には縁取りがはっきりと見て取れるのです。

パラ・ドーロやエマイユ・クロワゾネといったものによるイコンは、かつては眩いばかりの金色に輝いていたようです。それは画家や職人に多くのインスピレーションを与えたことでしょう。