キリスト教美術と弾圧と布教

4世紀初頭、ローマ帝国で公認されるまでキリスト教は異教徒たちからの弾圧と迫害を繰り返し受けていました。ひそかに布教を続けていたという感じです。ローマの国教となった後も、異民族の侵略があったりして、建築物を破壊されたり略奪されたりしています。特に8~9世紀には偶像の否定や破壊というイコノクラスムという試練を経験しました。この時期、多くの貴重な美術品を失うことになったといいます。木でつくられた聖画像や祭壇の装飾は破壊や劣化などに弱かったということもあります。中世に作られた額縁は非常に少ないですが現存しています。専門家は、それらに初期のキリスト教美術にとっての額縁にかかわる貴重な痕跡が見て取れるといいます。イコンや象牙の浮き彫り、彫刻やエマイユ、写本装飾などの縁取りなど、絵画装飾の原型が見えるそうです。