ルネサンスのヌード

イタリアを中心としたヨーロッパで5世紀~16世紀にかけて起こった芸術運動であるなどと称される「ルネサンス」は「復興」や「再生」を意味する言葉でもあります。中世の時代以前の古代を「復興」「再生」させたいという人びとの願いが込められた時代でもあったようです。ルネサンス期について語られる時に必ずといってよいほどに登場するワードの1つが「ヌード」であります。中世の時代においては教会からの抑圧的な規制のもと、ヌードを描くことを禁止されていた画家たちが、こぞって裸体を描いた時代がルネサンス期の特色でもあります。古代ではヌードは美的なものと捉えられていたため美術品の多くに裸体を表現したものがみられました。裸体を絵画や彫刻に表現することが罪深いとされていた中世の時代に抑制されていた人びとの感情が一気に華やいだ時代とも言えるのかもしれません。