絵画と額縁の関係は、昔から良きにつけ悪しきにつけいろいろなシーンが存在していました。一体となった作品と考えれば15世紀頃の、最初から額縁(当時は画枠)有りきだった頃の方が全体での完成度を高めるうえでは理想的と言っていいのかもしれません。その後それぞれが別々に作られるようになってくると、なかなかベストマッチとなる機会がそがれていってしまうケースの方が多くなってくるのはやむを得ないと言えなくもありません。しかも時代時代で好まれる傾向も変わってくるでしょう。その時代の画家にしてみれば大衆受けする絵を描こうと考えるのも当然かもしれません。あるいは昔の豪華に作られた額縁に自分の描いた絵を収めてできるだけ良く見せたいと考えても決して非難できないでしょう。しかし最終的にはその作品の良し悪しを決めるのはその当時の批評家であり、大衆であることに変わりはないというのも事実と言えるでしょう。